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氷上の王、ジョン・カリー(映画)のあらすじと感想

「氷上の王、ジョン・カリー」のあらすじ

映画「氷上の王、ジョン・カリー」は、イギリスの男子フィギュアスケート選手「ジョン・カリー」のドキュメンタリーです。

アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、更に芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター ジョン・カリーは、バレエのメソッドを取り入れた演技により、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得しました。

しかしながらマスコミが真っ先に伝えたのは、表に出るはずのなかった彼のセクシュアリティの部分だったのです。

同性愛が公的にも差別されていた時代に、ゲイであることが公表されたメダリストの存在は、世界中を驚かせ論争を巻き起こしました。

それでも彼は華麗な滑りで多くの人を魅了し続け、現在の日本人スケーターにも影響を与えるほどの存在となったのですー。

本作ではアスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独や自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔・AIDSとの闘いなどを、貴重なパフォーマンス映像及び本人・家族・友人・スケート関係者へのインタビューを交えて明らかにしていきます。

新たに発掘された、ホームビデオ撮影の彼の最高傑作「ムーンスケート」のパフォーマンスはことさら美しく、ドキュメンタリー作品を得意とする監督のジェイムス・エルスキンは「どんなスケートより美しく心を打たれた。これをみて感動を覚えない人はいないだろう」と語っていますね。

加えて「映画の3分の2がアーティストやスポーツ選手としての苦悩の物語だとすれば、残り3分の1は社会や家族に自身のセクシャリティを抑圧された男の物語といえる」との説明を加え、「我々は、この作品を記憶と喪失・命のはかなさの本質を伝える物語にしたかった」と、作品の持つ“意義”について明らかにしています。

そういった意味で「氷上の王、ジョン・カリー」は金メダリストの栄光を描き出した映画ではなく、アスリートの鍛錬をひたすらに追ったドキュメンタリーとも違い、卓越した才能を持ちながらも苦しみ抜いた一人の男の物語と言えるでしょう。

作中に紡ぎ出されるその激動の人生は、見るものの心を強く揺さぶります。

「氷上の王、ジョン・カリー」の感想

「氷上の王、ジョン・カリー」については、伊藤 みどりさんや町田 樹さんといった日本の名だたるスケーターたちも、絶賛のコメントを寄せています。

近年は日本でのフィギュアスケート熱も高まっていますから、シンプルに偉大な先人のパフォーマンスを堪能しつつ、競技の歴史に思いを馳せるのも一興でしょう。

一方で「スケート界のヌレエフ」と称され、完璧な演技で見る者を魅了した伝説のフィギュアスケーターが、熱意を胸に抱いてギリギリのところでバランスを取りつつも、自滅への道に駆り立てられる姿は見逃すことができません。

映画を観た方たちの中からも「彼の演技は本当に美しく、素晴らしい。ただ偉大なる功績の陰にどれだけの葛藤があったかと思うと、胸が詰まってしまった」「美しいスケートを堪能できるという点でも、すべてのフィギュアファンに見てほしい作品。と同時に映画で描かれている諸問題は未だ根本的には解決されていない気がして、いろいろと考えさせられた」と、ジョン・カリーが披露するパフォーマンスに彼自身の人生の“演技”を重ね合わせることで、様々な気づきがあったとの声が上がっていますね。

天才の孤独と苦悩というテーマから、「ボヘミアンラプソディー」を連想した方もいるようです。

いずれにせよ「氷上の王、ジョン・カリー」の評価はかなり高いですから、優れたドキュメンタリー映画として、是非チェックしておきたい作品ですね。